ピロー包装の発祥と歴史
ピロー包装とは、そもそもどのようなものでしょうか?基本的な知識や発祥、歴史が分かれば、ピロー包装の理解が深まりニーズに合ったピロー包装機選びの助けになるかもしれません。ここでは、ピロー包装の基礎知識、発祥、歴史、機械の種類について紹介します。
ピロー包装とは
ピロー包装は、最も広く普及している包装形態です。専用の機械を用いて、フィルム素材を裏表・背中合わせにシールして筒状の状態を成形し、指定の長さに切断してヒートシールで上下を接着します。仕上がり形状が「枕」(ピロー)に似ていることから、ピロー包装と呼ばれています。
食品包装でよく使用されていますが、日用品や雑貨、医薬品なども得意分野です。ピロー包装は伸縮性に富んでいるため、内容物の形状に合わせて隙間なく包装ができるほか、食品の保存性を向上させるガス充填を行うこともできます。
ピロー包装機の発祥はどこ?
ピロー包装機の発祥は欧米です。アメリカやイギリス、ドイツなどでは1870年ごろから研究・開発に着手していたとされ、横型のピロー包装機に関しては早くも1920年代にアメリカで開発されていました。従って、ピロー包装機の世界的な歴史は100年以上に及んでいることがわかります。日本においても20世紀以降、ピロー包装機の輸入と開発が始まりました。
ピロー包装機の歴史
日本におけるピロー包装機の歴史は、1920年ごろに始まりました。この頃、アメリカやイギリスなど欧米から各種の自動包装機が日本に輸入されました。1930年に入ると国産化もスタートし、第二次世界大戦による研究・開発の停止期間を経て、戦後は1960年代に初の国産包装機を誕生させるなど飛躍的な進歩を遂げ、その後も時代の変化に合わせて新製品を次々に開発してピロー包装機の定着化に成功し、今日に至っています。
ピロー包装機の種類
ピロー包装機は大きく分けて「横ピロー」「縦ピロー」「その他」に分類されます。
横ピロー包装機
横ピロー包装機は、文字通りベルトコンベアに置いた製品を横方向に流してピロー包装を自動で行う包装機械です。液体・粒体など溢れやすい商品には適していませんが、横方向への工程でも問題なく包装ができる、パン、クッキー、おにぎり、ハム、ソーセージなど固形物の包装に適しています。また、横ピロー包装機のタイプには「正ピロー」と「逆ピロー」の2種類があり、それぞれ使用に適した製品が異なります。
縦ピロー包装機
縦型ピロー包装機は、縦方向に製袋した筒状の包装フィルムに製品を上から落として充填する包装機械です。フィルムを筒状に成形した後、センターシール、底面のシール、充填、最後に上部をシール・カットして完成します。縦型ピローは、横ピローに適さない調味料、粉末スープ、小麦粉、香辛料、マヨネーズなど、液体・粉体・粒体・粘体の商品の包装に適しています。逆に、製品を上から投下して充填するため、衝撃に弱い商品には向いていません。
その他のピロー包装機
横ピロー/縦ピロー包装機以外にも、三方(三辺)をシールして包装する「三方シール包装機」、四方(四辺)をシールして充填包装する「四方包装機」、フィルムを縦長のスティック状に成形して充填包装する「スティック包装機」など、様々なピロー包装機の種類があります。従って、それぞれのタイプの適した内容物を確認してから、機種選定を行うことが大切です。